若手女医の脳神経外科研修に関する取り組み
小谷 有希子
医師になると同時に入局して、早3年が経過しました。
同門会の方々には、これまで多くのご指導ご鞭撻を頂き、厚く御礼申し上げます。
平成25年1月に新年会(例年新年部長会として開催されていました)にて、上記のような演題でお話をさせていただく機会を賜りました。
私は数少ない女性脳神経外科医のうちの一人でありますが、普段から「女性で脳外科医なんですね」と良い意味でも悪い意味(かどうかはわかりませんが)でも言及されることが多いです。
自分にとって脳神経外科を選んだことは、ごく自然なことのつもりですが、世間ではまだまだ珍しい事象のようです。
そもそもこんな演題が成立すること自体がおかしいのかもしれません。
ですが,、の意識を改革していくために,「脳神経外科」とは別のライフワークとして「女医活動」を進める必要があるのも事実だと思うのであります。
1.理想の「女医像」
女医さんでも色々なスタイルがあると思うのですが
私のスタンスとしては
「脳外科だからといって,女だてらにとか男性以上にと言って肩肘をはる」のではなく
「女性らしい、明るく朗らかで華やかな雰囲気を大事にしたい」と思っています。
実際、外来など日々の診療では「女医さんで良かった」と喜ばれることもあるのです。
他にも心掛けていることがあります。
一つは弱音を吐かないこと。
もう一つは、せっかく頂いた仕事のオファーは断らないこと。
会での発表やこの記事の投稿もその一環です。
「明るく朗らかで華やかな雰囲気」を実践するべく、ビジュアルにも気を遣います。
この先,結婚や出産という目標もまだまだ諦めているわけではありませんが、手術は一生続けたいので、どういう道があるのかというのは模索中です。とにかく止めずに突き進むことで道は開け、次に続く人のロールモデルとなっていけるのではないかと思います。
2.一年での成果
日本脳神経外科学会の専門医を取得するのに、2011年以後の研修開始者は「研修記録帳」をExelファイルで提出することが義務付けられています。
これまでよりも,より具体的で煩雑なデータ入力を要求されているのですが 、医局秘書の喜多さんに協力してもらいながら、まとめてみました。そうすると、どんな領域の手術に何例入っていて、そのうち術者で執刀したのが何例と集計結果が出て参ります。
さすがは大学病院で研修しているだけあり、小児や脳腫瘍を中心に稀な症例、手術(必要症例数が少ない)を既に多く経験できているということが分かります。
一方で自分が実際に執刀できた症例数は少なく、この一年は「まずは多くを見て知る」の年だったな、というのが感想です。
次の年は、見て知ったことを実践していく一年にしたいと思っています。
会では他に、大学の先生方にアンケートを取り、この女医の取り組みや、自分の研修態度についてどう思うかなどお尋ねした結果を発表致しました。
結論としては、女医だからといって、過小評価も過大評価もされていないということでした。
この3年間、恵まれた環境で研修を行ってこられたことに感謝をし、それに甘んじることなく日々の鍛錬を怠らないことが、女性脳神経外科医への道に繋がっていくと思います。
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。