公立大学法人 奈良県立医科大学脳神経外科

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脳血管内外科マスターからのメッセージ-中川一郎 准教授

2020年09月22日

「外科マスター」制度が設立

 

脳神経外科学教室 准教授 中川一郎

本学附属病院に「高度外科技術センター」が2017年に設置され、手術技術や能力を教育・研究・診療に供し、附属病院における医療の充実と質の向上を目的として「外科マスター」制度が設立されました。奈良県の手術技術の発展に寄与し、さらには県民の健康に貢献できる制度と理解しています。このたび脳神経外科学教室から選出いただき、2018年に脳血管内外科マスターの称号を付与していただきました。

脳血管内治療の発展と医師の育成

脳血管内治療は近年発展の目覚ましい分野であり、奈良県立医科大学脳神経外科学教室からも多くの医師がその技術を学び、当教室の関連病院においても低侵襲で患者負担の少ない数多くの脳血管内治療が行われています。しかし奈良県においては本治療医がまだまだ不足しております。

県民の皆様の健康を守るために、優れた技術と豊かな人間性を持つ医師を育てるのが、我々に求められる役割であり、責務と考えています。

全国に先駆けたこれらの治療戦略

脳血管障害の治療においては多くの脳神経外科手術と同様、顕微鏡を用いたマイクロサージェリーが基本となります。本邦において脳血管内治療は脳血管外科手術をベースに発展した技術であり、脳神経外科手術の習熟が本治療の成績向上と直結しており、当教室の先達から受け継がれた脳血管外科手術の技術力が現在の脳血管内治療の成績を支えています。さらにカテーテル技術に関しては放射線医学からの知識の理解も不可欠であり、本学附属病院では連携を密にし、技術の研鑽を積んでいただける体制を整えています。

また麻酔科や関連各科と連携し神経モニタリングを含めた種々のモニタリングによる安全を重視した治療を徹底しており、全国に先駆けたこれらの治療戦略についても是非学んでいただければと考えます。

ハイブリッド手術

カテーテルを用いる脳血管内治療は通常血管造影室で行われ、顕微鏡を用いる開頭手術は手術室で行われますが、最近では開頭手術とカテーテル手術を組み合わせたハイブリッド手術が発展し、本附属病院においてもハイブリッド手術が可能となっています。ハイブリッド手術はそれぞれの治療法の良いところを掛け合わせたような新しい治療であり、これにより複雑で治療困難な脳動脈瘤、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻などの脳血管障害をより適切に治療できるようになっています。

効率よく学ぶことができる体制を

当教室においては関連病院で勤務する若手医師の治療技術の向上、維持を目的として

当附属病院での脳血管内外科治療を広く見学できるシステムを構築し、効率よく学ぶことができる体制を確立しています。
もちろん他府県や他学の先生方においては、外科マスター制度を利用し見学いただければと考えます。

脳血管内外科の治療は、毎週主に月曜日から水曜日で行われており、希望に応じて受け入れを調整いたします。
ご連絡いただければ治療予定をお知らせしますので、気軽にご検討ください。

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