公立大学法人 奈良県立医科大学脳神経外科

MENU
CLOSE

【研委360】てんかん外科症例データベースを用いた外科治療の有効性と安全 性の解明

2024年12月10日

脳神経外科の外来・入院診療を受けられた患者さんおよびそのご家族の方へ

【研究課題】てんかん外科症例データベースを用いた外科治療の有効性と安全性の解明

1. 対象となる方

2016年4月1日から2029年6月30日までに、奈良県立医科大学附属病院で入院にて薬剤抵抗性てんかんに対する外科治療を行った患者さんが対象となります。

2. 研究目的・意義

てんかんは人口の約1%にみられるありふれた病気です。てんかん発作が繰り返し起こることにより、人生の長い期間に渡って生活の質が損なわれてしまいます。多くの場合薬物治療が効果を発揮しますが、3〜4割の方は薬が効かず、外科治療が必要となることがあります。

実は同じてんかんという病名でも、その中にはたくさんの違う種類の症候群が含まれますし、原因も様々です。また外科治療の種類も焦点切除術、脳梁離断術、半球離断術、迷走神経刺激療法、脳深部刺激療法と様々です。そのため、どのような外科治療がどのようなタイプのてんかんにどのくらい有効であるのかを調べるのは簡単ではありません。

北米や欧州など、てんかんに対する外科治療がひとつの施設でたくさん行われる地域で得られたデータに基づいて国内の外科治療が行われているのが現状です。しかし、実際にはてんかんのタイプには人種による違いがあり外科治療の効果や安全性について欧米のデータがそのまま当てはまるとは限りません。また行える外科治療の種類も国によって異なります。

この研究では、日本でてんかんの外科治療を行う上でより信頼できるデータを手にいれるために、日本はもちろん、アジア・オセアニア地域の複数の施設のデータを一か所に集めてデータベースを作成し、てんかんの外科治療の有効性と安全性についての検討を行います。

既に確立している国際的てんかん患者大規模データベース(EpiNetデータベース:http://www.epinet.co.nz/)に個人情報が分からないようにした上で患者さんの診療情報を登録し、そのデータを抽出・解析します。これにより、日本におけるてんかん外科治療の有効性と安全性が詳しく示され、本来外科治療による恩恵を受けられるはずの患者さんにより適切な医療を提供することが可能となることが期待されます。

3. 研究方法・研究に用いる試料・情報の種類

診療の記録(カルテ)から以下の事項を収集して研究を行います。この情報を個人が特定できない方法で国際データベースに登録します。国内および国外の共同研究機関がこのデータを用いててんかんの外科治療の有効性と安全性についての解析を行います。以下の情報は診療の記録から抽出しますので、患者さんに新たに検査等のご負担をいただくことはありません。

  • 年齢、性別、身長、体重、既往歴、教育歴、就業歴
  • 臨床情報(てんかんの種類、病因、罹病期間、てんかん発作型・頻度等)
  • 血液検査
  • 神経生理学的検査(脳波、脳磁図)
  • 神経心理学的検査
  • 神経放射線検査(頭部CT、頭部MRI/MRA、SPECT、PET)
  • てんかん関連遺伝子検査結果
  • てんかん薬物治療歴
  • てんかん外科治療歴

4. 利用又は提供を開始する予定日

2024年11月28日

5. 研究期間

研究実施許可日から2029年12月31日まで

6. 個人情報等の取り扱い、外部への試料・情報の提供

国際データベースに提供する情報は、個人を特定できない方法でパスワード管理されたサーバーに保存されます。国際的に信頼できる倫理審査体制下に承認を得た共同研究機関の研究者のみがデータベースに情報を登録でき、またこのサーバーにある情報を閲覧・利用することができます。

国際データベースを介さない形で、他の研究機関に直接情報を提供することはありません。尚、国際データベースに登録された情報は、将来に渡り、てんかんの医療を改善することを目的とした研究で利用できるように研究終了後も保存を継続します。

自治医大で研究を行うために国際データベースから収集した情報は、研究代表者が脳神経外科医局においてパスワードを設定したファイルに記録しUSBメモリに保存し厳重に保管します。研究終了後36か月保管した後、電子的に廃棄します。

7. 研究の資金源及び利益相反

この研究は、脳神経外科学講座研究費を用いて実施します。この研究における当院の研究者の利益相反については、当院の利益相反管理委員会で審査され、適切に管理されています。また、研究組織に係る研究者の利益相反については、それぞれが所属する機関において、適切に管理されています。

8. 研究組織

【研究代表者】
自治医科大学 脳神経外科学講座 氏名 國井尚人

【本学の研究責任者】
奈良県立医科大学 脳神経外科 佐々木 亮太

 

【共同研究機関(2024年9月5日時点)】

研究機関 研究責任者の所属 研究責任者の役職 研究責任者氏名
東京大学医学部附属病院 脳神経外科 助教 嶋田 勢二郎
東京都立神経病院 脳神経外科 医長 松尾 健
聖マリアンナ医科大学 脳神経外科 教授 太組 一朗
東京医科歯科大学 脳神経外科 講師 稲次基希
京都大学 脳神経外科 准教授 菊池 隆幸
国立精神・神経医療研究センター病院 脳神経外科 部長 岩崎 真樹
森山脳神経センター病院 脳神経外科 院長 堀 智勝
埼玉県立小児医療センター 脳神経外科 医長 宇佐美 憲一
国際医療福祉大学成田病院 脳神経外科 准教授 上利 崇
聖隷浜松病院 てんかん・機能神経センター センター長 藤本 礼尚
千葉県循環器病センター 脳神経外科 部長 青柳 京子
順天堂大学 脳神経外科 准教授 飯村 康司
徳島大学 脳神経外科 講師 多田 恵曜
大阪公立大学 脳神経外科 講師 宇田 武弘
九州大学 脳神経外科 教授 吉本 幸司
奈良医療センター 脳神経外科 診療部長 田村 健太郎
山梨大学 脳神経外科 教授 木内 博之
静岡てんかん・神経医療センター 脳神経外科 部長 臼井 直敬
鹿児島大学 脳神経外科 教授 花谷 亮典
大阪大学 脳神経外科 教授 貴島 晴彦
広島大学 てんかんセンター 教授 飯田 幸治
札幌医科大学 脳神経外科 教授 三國 信啓
聖隷三方原病院 てんかん・機能神経外科 院長 山本 貴道
近畿大学 脳神経外科 准教授 中野 直樹
東北大学 脳神経外科 教授 遠藤 英德
名古屋大学 脳神経外科 病院助教 友崇
信州大学 脳神経外科 教授 堀内 哲吉
長崎医療センター てんかんセンター センター長 小野智憲
筑波大学附属病院 脳神経外科 講師 増田 洋亮
大分大学医学部附属病院 医療情報部 助教 松田 浩幸
行德総合病院 てんかんセンター センター長 峯 清一郎
All India Institute of Medical Sciences (インド) 脳神経外科 教授 P Sarat Chandra
Auckland City Hospital (ニュージーランド) 脳神経内科 教授 Peter Bergin

9. 対象になることを望まない場合の申し出及びお問い合わせ先

(1) 対象になることを望まない場合
この研究のためにご自分の情報を使用してほしくない方は、下記の「照会先」に記載されている研究責任者(または連絡担当者)までご連絡ください。その時点でデータベースから登録された情報を削除し、対象から外させていただきます。

ただし、連絡をいただいた時点で既に解析が行われていた場合や研究成果が学会・論文などで公表されていた場合は、対象から外すことはできませんので、ご了承ください。

なお、お断りになった場合でも、患者さんに将来にわたって不利益が生じることは一切ありません。

(2) お問い合わせ
本研究に関するご質問等がありましたら下記の【照会先】までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報等及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を入手または閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

【照会先】

研究責任者:奈良県立医科大学 脳神経外科 佐々木 亮太
住所:奈良県橿原市四条町840番地
電話:0744-22-3051

TOPに
戻る