覚醒下脳腫瘍摘出術を受けた患者さんへ研究協力のお願いについて
本研究の対象者に該当する可能性のある方で診療情報等を研究目的に利用または提供されることを希望されない場合は、下記の相談窓口へお問い合わせ下さい。ご連絡がない場合においては、ご了承をいただいたものとして実施されます。皆様方におかれましては研究の趣旨をご理解いただき、本研究へのご協力を賜りますようお願い申し上げます。
なお、この研究は、倫理審査委員会の審査を受け、研究責任者の所属機関の長の承認を得て行っているものです。
1. 研究の対象
2013年4月~2028年12月に前頭葉・頭頂葉の脳腫瘍に対する覚醒下手術を受けられた方
2. 研究の概要
研究課題名 帯状回における術中モニタリングの有用性の検証
研究期間 承認日(2024 年 2 月 15 日) ~ 2029年 3月31日
目標数 全体 40例(奈良県立医科大学:10例)
3. 研究の目的・方法について
脳腫瘍の手術を行うと、正常な部分も摘出してしまう、または傷つける可能性があるため、いろいろな後遺症が残ることがあります。特に帯状回(たいじょうかい)と呼ばれる領域は、様々な脳機能のハブと言われる領域であり、本領域周辺の手術では手術により様々な高次脳機能障害を残してしまう可能性があります。しかし、近年、覚醒下手術で脳機能を直接調べることにより、帯状回周囲にできた脳腫瘍でも安全に手術できる可能性があることが分かってきました。
覚醒下手術とは、手術中に目を覚まして、いろいろな課題を行い、脳の機能を調べながら行う手術のことです。覚醒下手術は、脳の大切な機能を残しながら行える唯一の手術です。しかし、帯状回周辺に対する覚醒下手術の有用性の検証はまだ十分とは言えません。
今回、私たちは帯状回周辺の脳腫瘍に対する覚醒下手術における覚醒下手術の有用性を調べることにしました。本研究成果は、従来は手術後に様々な後遺症を残す可能性があると考えられていた帯状回周辺の腫瘍でも安全に手術できる可能性を示唆しており、脳腫瘍の手術に携わる人にとって大変意義のあるものであると考えています。
覚醒下手術は、通常の保険診療の範囲内で行っております。また、本研究は、すでに得られたデータを用いて過去に振り返って検討を行う研究です。なお、この研究は、金沢大学医学倫理審査委員会の審査を受け、研究域長の承認を得て行っているものです。
4. 研究に用いる試料・情報の種類
情報
- 年齢、性別
- 教育歴、職業
- 利き手
- 病理、腫瘍の遺伝子情報(IDH-1、1p19q、MGMT)
- MRI画像、病変の領域と範囲
- 手術所見(帯状回近傍の術中タスク遂行の可否、および術中タスクで陽性所見であった部位)
- 術前、術後、術後3ヶ月以降の高次脳機能、日常生活自立度
- 術後の社会復帰の有無とその時期
5. 外部への試料・情報の提供・公表
提供された情報は、金沢大学又は共同研究機関において個人が特定できない様に匿名化を行い、金沢大学で一括管理します。収集されたデータは学会や論文などに発表されます。
6. プライバシーの保護について
この研究にご参加いただいた場合、あなたから提供された診療記録、手術記録より得たこの研究に関するデータは、個人を特定できない形式に記号化した番号により管理され、研究事務局に提出されますが、あなたの個人情報が外部に漏れることはありません。
この研究で得られた結果は学会や医学雑誌等に発表されることがあります。このような場合、あなたの個人情報などのプライバシーに関するものが公表されることは一切ありません。
7. 研究組織
研究代表者 金沢大学脳神経外科学 教授 中田光俊
(1)金沢大学における研究実施体制
研究責任者:金沢大学脳神経外科学 教授 中田光俊
研究分担者:金沢大学脳神経外科学 講師 木下雅史
研究分担者:金沢大学リハビリテーション科学領域 助教 中嶋理帆
(2)共同研究機関と研究責任者
千葉大学大学院医学研究院脳神経外科 助教 廣野誠一郎 データの提供、解析
奈良県立医科大学脳神経外科 講師 松田良介 データの提供、解析
8. 本研究に係る資金ならびに利益相反について
この研究は研究代表者および研究分担者の所属する研究分野の基盤研究費を用いて行われます。また、この研究の研究担当者は、この研究において企業等との間に利害関係はありません。
この研究の研究担当者は、金沢大学または各研究機関の規定に基づく利益相反審査機関へ自己申告し、その審査と承認を得ています。従って、この研究の研究担当者は、この研究の実施の際に個人的な利益のために専門的な判断を曲げるようなことは一切いたしません。
9. 研究への不参加の自由について
試料・情報が当該研究に用いられることについて、患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には、研究対象としませんので、2029年3月31日までに下記の問い合わせ先までお申出ください。なお、研究結果が既に医学雑誌への掲載や学会発表がなされている場合、データを取り消すことは困難な場合もあります。
10. 研究に関する窓口
研究責任者:奈良県立医科大学 脳神経外科学 講師 松田良介
相談窓口担当者:奈良県立医科大学 脳神経外科学 講師 松田良介
住所:〒634-8522 奈良県橿原市四条町840
電話:Tel: 0744-22-3051 Fax: 0744-29-0818