公立大学法人 奈良県立医科大学脳神経外科

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女性の脳神経外科医師の働き方〜育児中の時短勤務

2019年10月13日

後悔のない選択を~

 

  • 角谷 美帆
  • 入局年度:2015年(平成27年)
  • 女性医師〜育児中
  • 夫婦とも医師

「医師を目指したのは」高校3年生の秋でした。

ずっと、「工学部」に行きたいなあという思いがありました。パソコンは好きだし、人工知能やAIにも興味がありました。

・・・色々考えているうちに

いや、やはり「脳」だな!という思いになりました。

それで、脳神経外科医を目指そうと思いました。

手を動かすことも好きだし、顕微鏡を覗いての手術はかっこいい!

OPEがしたい!

とにかく、しんどさ、大変さ、女性でも大丈夫??といった、マイナス面を意識するより

「やりたい」思い!を最優先に選択し、すすんできました。

家族の思いもあり、地元から離れずに通える範囲の大学を選ぶことに。

昨年出産し、育児を実際に経験しだしてからは、自分の両親に支えられることの、ありがたさも痛感している日々。
育児のサポートを両親に頼れる、地元から通える大学を選択したことが結果、良かったです。

仕事と育児の両立〜周りの協力あってこそ

保育園・両親の協力

育児中ということで、子どもは保育園に預け、時短で勤務しています。
ゼロ歳児では、空きがあったため住まいの近くの保育園に入ることができました。
保育園へは、園内で一番早く預けて、お迎えも最後になります。最近は後追いも激しく預けるときには泣きのお別れのこともあります。

当大学病院には、院内保育園も併設されているのですが、地元の保育園でお世話になっています。病気などで、途中に迎えに行くことが必要なシーンも多く、そういった時に、車で20分程度の距離に住む、実家の両親に助けてもらっています。
できる限り自分たち夫婦でやっていこうとはしていますが、やはり頼らざるを得ないことも。

夫の協力

ちょうど、出産直後に専門医試験を受けるタイミングとなってしまいました。
夫は、同じ大学の同期で、循環器系の医師。
東京で資格試験受験の際、夫と夫の両親に子供の面倒を預けることに。
なんとか受験することができたのですが、生後一ヶ月の息子の面倒は本当に大変だったようです。迎えに行ってみると、全員ぐったりしていました。笑
私たちの家庭は、私が子育て中に仕事のペースを落とさせていただいている分、夫は通常勤務を続けています。
夫は、子どもが寝てしまってからの帰宅になります。
私は、土日はお休みをいただいて、子供と過ごすようにしています。

職場の協力

とにかく、医局内で他の先生やスタッフのみなさんに、たくさんお世話になり、仕事を続けることができています。

当大学病院内で勤務の間は、スタッフも多いので人員の少ない他の関連病院勤務に比べると、協力を得やすいということもあります。
大学病院ということで、手術症例も多いので、現状でも1−2週間に一回は手術症例を担当させてもらえています。

自分の技術向上、専門性の向上は、医局内の他の先生、そして事務方のスタッフのみなさんの支えがあってこそ。

ライフプランも考慮してのステップアップを、みなさんのご協力のもと、実現させてもらっています。

出産・育児と仕事

〜実際始まるまでは、イメージできていなかったこと〜

<妊娠・産休>
事務的なことで、専門医試験受験予定のため、在籍していた関連病院から大学病院へ戻るタイミングでの妊娠でした。産休取得の条件など、色々初めての経験で、事務的なことでは、秘書室のスタッフのかたにも随分いろいろと助けていただきました。
事前に、産休取得の条件などは、知っておいたほうがよかったです。

<出産>

子供が熱を出して休む、朝はバタバタする、こういったことは予測できていました。
実際、育児と仕事の両立をしはじめて、初めて気づいたのは・・・

意外と、時間外にやっている仕事がたくさんあった、ということです。

手術の準備や調べごとなど、事務作業は、時間外で調整してやっていたのですね。今は、勤務時間をフル活用でなんとか効率よく時間捻出できるようにしています。
これも、やはり職場の他の先生方に、たくさん助けていただいています。

<参考数値>
〜先進国の中でもまだまだ少ない日本の女性医師〜

先進国を中心とする国際機構、経済協力開発機構(OECD)の2015年のデータより。

全医師数に占める女性の医師の割合事態は増加傾向ではあるが、医師に占める女性の割合は、日本は2016年時点で21.1%。加盟国の中で最低。

参考資料:厚生労働省が取り組む女性医師等勤務環境改善
https://www.ajmc.jp/pdf/jyoseiishi_20181102-5.pdf

脳神経外科医を目指す女性へのメッセージ

出産育児が、専門性の選択やステップアップへ影響することはあります。
脳神経外科は、そういったタイミングで、できなくなる仕事の割合も多い方だと思います。

自分の、「やりたい」「続けたい」

そんな思いを大事に進路を選んでほしいと思います。

こちらの医局は、出産、育児との両立中の私のような女医へも惜しみなくサポートしてくださいます。
子育てでの経験も、いつかこのお仕事に役立つこともあると思います。
現在はペースダウンしながらの勤務とはなっていますが、徐々に専門性も高め、さらに医療への貢献をしていきたいです。

最近は、ドクターXの影響で、「言ってみてください〜あのセリフ!」と、よく言われるようになりました。笑

あんなふうに、格好良い現場ではありませんが、こうやって子供を産んでも、続けたいと思えるやりがいのある職場です。女性の後輩も、後に続いてくれることを願っています。

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