『重症くも膜下出血の術後脳浮腫に関する研究』
概要
くも膜下出血は、脳動脈瘤が破裂することによって突然発生する重症の脳卒中です。
とき に命に係わる重篤な症状が起こり、半身不随や寝たきりなどの重篤な合併症が後遺症とし て残ることがあります。
重症の場合に問題となるのが、手術を行った後におこる脳ヘルニ アです。重症の場合にはしばしば発生します。
今回の研究の目的は、くも膜下出血に対し て手術治療を受けた患者さんのカルテ記録を元に、脳ヘルニアの合併について調査を行 い、発生の予測因子を抽出する研究です。 過去に治療を受けられた患者さんの臨床データと放射線画像の検証を行うことで、将来 に同様の治療を受けられる患者さんの術後成績向上につながることを期待します。
この研究は奈良県立医科大学医の倫理審査委員会による承認、学長による許可を得た研 究です。
目的 脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血は死亡率の高い疾患で、救命のために血管内治療や開頭 クリッピング術が行われます。重症の場合、開頭手術施行後に脳ヘルニアが発生すること があり、脳動脈瘤の治療に引き続いては脳ヘルニアを回避する治療が必要になる場合があ ります。
破裂脳動脈瘤に対する開頭手術後の脳ヘルニアの割合を明らかにして、脳ヘルニ アを起こしやすい特徴を見つけることによって、救命率だけでなく、治療成績を向上させ ることを目的とします。
・対象:
2007年1月~2018年6月までに奈良県立医科大学脳神経外科で破裂脳動脈瘤によるくも膜下 出血に対して治療を受けた患者さんが対象となります。
・項目:
年齢、性別、治療前に意識障害の程度、血腫の有無、血腫の体積、脳動脈瘤の部位、予後 良好群の割合、などを調査します。
・方法 :
中大脳動脈(MCA)動脈瘤2007年1月~2018年6月までに破裂脳動脈瘤に対して直達手術を 受けた患者様が対象となります
カルテの記録を過去にさかのぼって、病状や治療の記録 を振り返ってデータ化します。そこから脳ヘルニアの発生に関係する危険因子を統計手法 によって解析します。
・調査期間: 平成30年10月31日までとします。
患者さんの負担、メリット・デメリット 研究に参加することによる新たな検査の必要等はありません。
また、研究参加による謝礼 等もありません。個人情報は保護されます。
利益相反 この研究に関して開示すべき利益相反はありません。
拒否機会の保障と連絡方法 この研究の結果は個人の特定が出来ない形でデータ解析が行われますが、カルテデータの研究参 加を拒否する事が可能です。
該当期間に手術を受けた患者さんで、ご自身の記録を研究に利用され ることを望まれない方は、問合せ窓口にご連絡下さい。この研究への情報提供を停止させて頂きま す。
研究に関する問合せ窓口
奈良県立医科大学 脳神経外科
脳卒中センター 研究責任者
本山 靖 連絡先 myasushi@naramed-u.ac.jp
(直通)0744-29-8866、(代表)0744-22-3051、(内線)2320