・研究課題
研究課題名:肺癌原発の転移性脳腫瘍に対する定位放射線治療の治療成績
・研究の目的及び意義
目的: 肺癌原発の転移性脳腫瘍に対する定位放射線治療ついて後方視的に検討し、その有効性・安全性について評価を行います。
意義: 転移性脳腫瘍に対する治療としては、脳全体に放射線を照射する全脳照射を行うか、ピンポイントに放射線治療を照射する定位放射線治療を行うか、大型の転移に対しては外科的切除、いずれも適応とならない場合には効果の乏しい内科的治療を施行するしかありません。転移性脳腫瘍の原発巣は、肺癌が多く半数以上を占めます。肺癌に焦点を絞り、定位放射線治療の有効性・安全性を評価することにより、より適した患者群の同定、合併症の回避、治療後の管理方法などが明確となり、今後の定位放射線治療の発展に貢献しうると考えています。
・利用する検体・カルテ情報
2011 年 1 月~2020 年 12 月の間に転移性脳腫瘍に対する定位放射線治療を施行した肺癌患者様を対象として、患者の臨床症状、画像的検査結果について情報を収集します。
・研究の方法
2011 年 1 月~2020 年 12 月の間に転移性脳腫瘍に対する定位放射線治療を施行した肺癌患者様について、臨床症状(年齢、性別、治療前症状、治療後症状、再発までの期間、最終フォローアップ時おける生死、死因)、肺癌における遺伝子変異の有無、定位放射線治療の治療計画(治療前腫瘍体積、照射方法、総照射線量、照射回数)、画像所見(治療前、治療後の頭部 MRI 所見)、副作用などを解析し、治療結果、制御率、合併症率を後方視的に検討します。本研究は奈良県立医科大学 医の倫理審査委員会による承認、および
学長による許可を得て実施する研究であります。
・個人情報の取り扱い
患者様のデータを得る際は、氏名や住所などの個人が特定される情報を研究番号に置き換え、誰のものかわからなくします。この個人情報と研究番号の対応表は別に作成し、脳神経外科研究室内に保存します。その上で下記措置を講じます。
物理的安全管理措置
1 入退館(室)管理の実施:退室時には施錠を行います。
2 盗難等の防止::記録媒体の持ち込み・持ち出しを禁止します。
3 機器・装置等の物理的保護:当該研究実施責任者ならびに分担者しか開示されないパスワードで保護された2種類以上の外部記憶装置内に保存します。外部記憶装置は施錠した保管場所に保管します。
技術的安全管理装置
外部ネットワークと接続されていない端末を用いてデータ処理を行います。当該端末はスマートフォン、他のパソコン等ともアクセスできないように制限をかけます。
・負担並びに予測されるリスク及び利益
カルテより得られる情報のみの解析であるため、新たな有害事象等の可能性は皆無と考えます。
・研究資金源等の利益相反
本研究は肺癌原発の転移性脳腫瘍に対する定位放射線治療の後方視的な解析であり、現時点では個人に意味のある利益とは成り得ません。当該研究対象者への費用負担は発生せず、謝礼も発生しません。研究対象者に対する負担及び予測リスクは皆無であり、また利益もないものと考えられます。
・研究期間、研究結果の公表
本研究の研究期間は承認日から 2024 年 3 月 31 日までとし、研究結果については、学会、論文等で発表予定です。
・患者様へ
この研究について参加・協力を辞退される方は、お手数ですが、本研究責任者に申し出てください。また、患者様が本研究に対し辞退を申し出ても、一切の不利益は生じません。
13 問合わせ先:
奈良県立医科大学附属病院 脳神経外科 担当者:松田 良介
電話 0744-22-3051( 内 線3421)
FAX 0744−22−4121(代表)
Mail neurosurg@naramed-u.ac.jp