公立大学法人 奈良県立医科大学脳神経外科

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【2642】慢性頭蓋内脳波記録および術中皮質脳波記録を用いた、てんかん焦点同定精度向上のための臨床研究

2020年07月08日

奈良県立医科大学附属病院で診療を受けられた皆様へ

当院では、以下の臨床研究を実施しておりますのでお知らせいたします。
下記の概要についてご確認いただき、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には、試料・情報を用いませんので、以下の「問合せ先」までお申し出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
下記の研究は、奈良県立医科大学医の倫理審査委員会(以下、「倫理審査委員会」と略します)で審査され、奈良県立医科大学学長の許可を得て行います。

  1. 研究課題名:慢性頭蓋内脳波記録および術中皮質脳波記録を用いた、てんかん焦点同定精度向上のための臨床研究
  2. 研究期間:学長許可日(2020年5月28日)から 2025年3月31日
  3. 対象患者:対象期間中に当院で難治性てんかんに対するてんかん外科治療を受けられた患者さんのうち、慢性頭蓋内脳波記録を行った方。
  4. 対象期間:2007年1月1日 から 2020年5月31日
  5. 研究機関の名称:奈良県立医科大学附属病院脳神経外科
  6. 研究責任者:氏名:田村健太郎
  7. 使用する試料・情報等:慢性頭蓋内脳波記録中および手術中に測定した皮質脳波記録のデジタルデータおよび電子カルテに記載されている診療情報(診療記録、検査データ(血液検査、画像検査(手術ビデ、脳表写真を含む)、病理組織検査)
  8. 研究の概要:てんかん患者さんの7割弱は抗てんかん薬で発作が抑えられますが、3割強の患者さんは、何種類のお薬を飲んでも発作が抑えられません。そのような患者さんには、てんかんを手術で抑制する治療を検討します。てんかんは大変たくさんの種類があり、大脳の一部分だけが異常な活動をするタイプ(部分てんかんと呼びます)の患者さんでは、その部分(これをてんかん焦点と呼びます)を取り除く「てんかん焦点切除術」という手術を行います。その際に、脳のどの部分がてんかん焦点であるかを最も正確に決めることができる検査が、慢性頭蓋内脳波記録という検査なのですが、これは一度頭の手術を行って脳表や脳の深部に脳波を測定する電極を埋め込み、それにつながった電線を皮膚から出して脳波計につなぎ(いったん開けた頭はきちんと閉じてきます)、1週間から2週間同じ部屋で脳波を測定し続け、その検査で決めたてんかん焦点を、2回目の手術で取り除くという、患者さんにとって大変負担が大きい検査および手術方法です。そこで、私たちはなんとか患者さんの負担を減らすために、1回の手術で正確にてんかん焦点を決めることができないかと考え、焦点切除術の際に測定した脳波と、慢性頭蓋内脳波とを比較する研究を行いたいと思います。もし手術中の脳波だけでてんかん焦点を決めることができれば、患者さんにとって大変大きなメリットがあります。具体的には、慢性頭蓋内脳波記録で決めたそれぞれの患者さんのてんかん焦点の場所が、手術中に測定した脳波記録中の、高周波振動という異常な脳波変化で捉えることができたかどうかを検証します。また脳波を測定したときの麻酔薬の濃度がどのような影響を与えたかということも調べます。なお、これまで当科で行われてきた慢性頭蓋内脳波および術中脳波は、それぞれの患者さんにとっててんかん発作の抑制のために必要不可欠であった検査であり、この研究のために行われたものではありません。それぞれの患者さんからいただいた脳波データを、将来の患者さんのために使わせていただきたいと考えています。
  9. 倫理審査・倫理審査委員会承認日:2020年 5 月 28日
  10. 研究計画書等の閲覧等:研究計画書及び研究の方法に関する資料を他の研究対象者等の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内で入手又は閲覧できます。詳細な方法に関しては以下の問い合わせ先・相談窓口にご連絡ください。
  11. 結果の公表:学会や論文等で公表します。個人が特定されることはありません。
  12. 個人情報の取扱い:カルテIDや氏名などの個人情報を研究用IDに置きかえて使用するため、あなたの個人情報が外部へ漏れることはありません。カルテIDと研究IDの対応表は厳重に研究責任者において管理されます。研究の成果は、学会や学術誌などで公表されますが、この場合も、個人が特定される情報が公開されることはありません。

<問い合わせ先>
相談窓口
奈良県立医科大学附属病院 脳神経外科 担当者:田村健太郎
電話:0744-29-8866:内線3421
FAX:0744-29-0818
Mail:ktamura@naramed-u.ac.jp

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