ご挨拶

DSCF0004 奈良県立医科大学脳神経外科は、高度先進医療の開発と提供をとおして、倫理感豊かな医療人を育成し、地域社会の福祉に貢献するとの理念を掲げ、教室員一丸となって取り組んでいます。
 奈良県の中核施設として年間約600件の脳神経外科手術を行い、脳腫瘍(定位放射線治療を含む)、脳血管障害(血管内手術を含む)、機能的脳神経外科(てんかん、パーキンソン病、疼痛など)、脊椎脊髄外科、小児中枢神経系奇形、外傷など幅い脳神経外科疾患領域の治療に対応しています。
 全国レベルのエキスパートがチームを組んで知恵と技術を出し合い、患者さんのニーズに合わせた「病人の側に立つ全人的医療」をめざします。 特殊専門外来や治療の判断に悩まれた場合のセカンドオピニオンも受け付けていますので、気楽にご相談ください。

 

教授:中瀬裕之

 

 

診療方針

 我々の治療のモットーは、「Treat the patient, not the disease(病気を診ずして病人を診よ)」です。患者さんの年齢や生活環境・人生観・価値観・信念・感情・生き方などを考慮し、患者さんやご家族と相談して治療法を決定していくことが大切だと考えています。”手当をする”というのは、直接患者さんに手を当てて診断治療をすることに由来します。心と手で患者さんを治療するのが我々外科医というものであろうと考えています。私たちは、「病人の側に立つ全人的医療」を目指しています。一方、医療とは不確実なものであり、同じ病気でも病態や経過が患者さんによって異なります。病気そのものが本来備えている「あやふやな面・特性」を理解する必要があります。いくら医学が進歩しても、100%確実な診断や治療、経過予想はあり得ません。人体はわからないことが多く、現代医学も正しいとは限りません。また、患者さんの個人差も大きいので、結果がどうなるかは正確に予測できないのです。実際の医療現場では、教科書やマニュアル通りにはいきません。
  このように正解が一つに決まらない中で、最善の道を探るには、医療を受けないことを含めた複数の選択肢から患者さん自身が選ぶしかないのです。治療行為の決定権は患者さん自身にあります。 「医療の不確実性」を認識していただき、十分な説明と同意の元に患者さんに治療方針を選択していただくこと(インフォームド・コンセント)が大切になってきます。
 しかし、すべての情報を提供し患者さんとご家族から同意を得るというこの行為は簡単なようで実行はなかなか困難です。私たち臨床医は、専門家として学んできた学術知識、多くの患者さんの治療に携わってきたことによって得た医療技術、一人の人間として生きてきた人生経験を駆使して毎日患者さんと向き合っています。そのため、各診療施設によって考え方は当然異なりますし、同じ施設でも各医師によって微妙に意見が異なります。よく“医者によって言うことが違うではないか”と苦情を聞く事があります。しかし、それは当然の事です。結局これを克服するためには“繰り返し話し合うこと”以外にありません。私たちはインフォームドコンセントを得るということは、繰り返し話し合ってお互いに理解しあうことだと考えています。
 最近、救急患者受け入れ拒否、病院閉鎖など勤務医や病院スタッフの不足が引き起こす様々な現象が身近に感じられるようになり、「医療崩壊」といわれています。このようなきびしい医療環境の中で、我々医療者の心のよりどころは、「治療により患者さんから感謝していただける」ことだけです。私たちを信頼して、私たちの診療を希望して来て下さるすべての患者さんに対し、私たちは常に全力で診療に当たらせていただく事をお約束いたします。

 

 

 

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